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2014年10月31日金曜日

日常活動の安全と製品の安全


 1. 定期点検活動
・定期点検活動・・・事故や災害の発生を未然に防止するための活動。
   定期点検活動とは、定常業務の一部として定期的な点検活動を行うことです。
◯定期点検活動の内容
・「業務が想定通りに行われていることを確認するための活動」
・「事故・災害・トラブルに発展する可能性のある非定常の行為や事象を発見し改善するための活動」

・法令点検・・・定期点検の中には法令で定められている点検活動
・自主点検・・・事業所が自主的に点検を行うこと


◯定期点検活動を作業内容
・「外観点検」・・・通常の作業状態や機器の状態について巡視等を行って、問題がないか点検する方法です。
・「作動点検」・・・非常時やある条件下で動作しなければいけない機器などを実際に作動させてみる点検方法です。
・「機能点検」・・・作業において動作させる機器について比較的簡単な操作を行い機能に問題がないか点検する方法です。

◯点検での注意事項
・チェックリスト自体を保存用の記録として利用する事もあるので、点検種別や点検対象毎に分けるなどの工夫も有効
・人間に依存する未然防止活動では、個人の熟練・技量・体調などによって、実施レベルにムラが生じる可能性がある
・定期点検活動を長期間実施してくると、次第に意識が低下したり、取り組み方が悪くなったりする可能性があります。
・点検を実際に行ったら、それらの点検状況を定型の記録に残すことも重要です。






2. 小集団活動
小集団活動・・・一般に、5人から7人程度の少人数のグループを職場に作り、自主的に業務に関連する目標や計画を立て、実行していく活動

計画段階には大きく分けて、「目的の明確化」「グループの結成」「テーマの選定」「活動計画の策定」の四つのステップからなります。

◯計画段階
・目的の明確化・・・小集団活動自体の目的を明確にするということです。小集団活動によって組織の活性化等、さまざまなメリットがあるとされていますが、「安全レベルの向上」であるとか「全社的な業務効率の向上」など主眼となる目的をはっきりすることが重要です。
・グループの結成・・・まず構成員の範囲を決定します。先に定めた目的によって、職場の部や課といった単位でグループを構成するか、職場組織を横断して目的に合致した構成員にするかなどの決定をします。
・テーマの選定・・・ここでは、現在、問題と考えられるテーマをできるだけ具体的に設定します。この時あまり壮大なテーマとせずに身近に実感できるようなテーマを考え、さらに改善するのに何年もかかりそうなものにはしないことが大切です。
・活動計画の策定・・・活動計画には活動終了までの期間を明確にすると共に、その期間内に行ってゆくべき活動概要も明らかにします。

◯小集団活動の実施段階
実施段階には大きく分けて、「原因分析」「目標の設定」「改善実施」「成果の把握」「活動報告」の5つのステップからなります。
・原因分析・・・計画段階で設定したテーマについて、客観的な視点で現状分析を行うことによって始まります。
・目標の設定・・・原因分析で明らかになった原因や活動計画で定めた期間をもとにして、どのぐらい改善するかといった具体的な目標を設定するものです。
・改善実施・・・改善目的を達成するための改善策の検討から始まります。それらの改善策について対策としての効果を検討し、実施する改善策を決定します。
・成果の把握・・・行った改善策がどの程度の効果があったのかを活動実施前の状態と比較します。
・活動報告・・・小集団活動として検討した内容や実際に行った改善策などを文書にしてまとめます。

◯小集団活動の種類
・QCサークル・・・現場で働く従業員により小集団を形成して、この小集団によって継続的に製品・サービス・仕事などの質の管理や改善を行う活動のことです。
・ゼロディフェクト運動(ZD運動)・・・直訳すると無欠陥運動です。これは、やはり生産現場などにおいて、従業員が小集団を編成し、製品等の欠陥をゼロにすることを目標とした全員参加型の改善活動です。
・改善提案活動・・・通常業務とは別に、業務環境や業務手順の不具合等を直し、その内容を組織内に公表し広めていこうという活動です。






3. ヒヤリハット活動

ハインリッヒの法則(Heinrich's Law) ・・・米国の安全技師H.W.Heinrichが1941年に発表した、ヒヤリハット事例に関する法則のこと。1件の死亡・重傷災害が発生したとすれば、それと同じ原因で29件の軽傷災害を起こし、同じ性質の無傷害事故を300件伴っているとされる。この300件がヒヤリハット事例ということであり、言い換えると300件のヒヤリハットには、1件の重傷災害、29件の軽傷災害発生の可能性があるということになる。


◯ヒヤリ・ハットの重要となるポイント
・「早期の報告」・・・可能な限り、早く事例を収集することが必要で、ヒヤリハットを体験した人も早く報告することが重要です。
・「報告者の保護」・・・ヒヤリハット事例を個人評価に導入するようなことはせずに、誰でも報告できるような環境を事業者および全従業員で作っていくことが重要です。
・「早期の改善」・・・報告された事例については、事例の公開やグループによる検討などを行って、速やかに対応する環境を整えましょう。
「情報の早期流通」・・・ヒヤリハット事例は同種の作業を行っている人についても重要な情報であります。情報だけは早く流通させて注意を喚起することが重要でしょう。

◯ヒヤリ・ハットの目的
・[重大事故の未然防止]・・・ヒヤリハット事例の原因を追求して、改善することによって、重大な災害につながる前により安全な環境を作ることができます。
・[類似潜在危険の発見]・・・ヒヤリハット事例を多く収集して系統立てて分析することで、いままで気付かなかった新たな危険を見出すことができます。
・[安全意識の向上]・・・ヒヤリハット活動によって報告をする癖をつけることによって、危険に対する感覚も鋭敏になり、一人一人の意識向上に結び付いていきます。






4. 機械設計原則(フェールセーフ)
・フェールセーフ・・・故障で障害が発生した場合でも安全側に、つまり自動的に運転を停止するよう設計することを言います。

フェールセーフシステムはは、災害を防止するためには強制的に停止してしまう。これは、生産性を悪くする原因になるように見えるが、重要なことは、機械を停止させた原因を追求して、対策を講じていくこと。






5. システムの高信頼化

フォールトアボイダンス・・・故障の発生を極力少なくするよう設計すること。具体的には、信頼性の高い部品を用いること、品質管理活動を徹底すること、あるいは予防保全の考え方を取り入れること、などがある。例としては、故障しにくい部品を使用してシステムを構成することや、ソフトウェアを開発する際に十分にデバッグすることなどが挙げられる。直訳すると、「故障を回避する」という意味である。

フォールトトレランス・・・トラブルが発生した場合を想定して、その影響をできるだけ抑えることで、システムの機能を保持するよう設計する概念。よく用いられる手法は、システムに冗長性を持たせることである。例としては、一つのシステムが故障しても代替性のあるシステムが自動的に稼動するように、複数のコンピュータを並列に搭載することなどが挙げられる。

フェールソフト・・・何かの故障が発生した場合、機能低下はある程度許容しても、稼動は止めないように設計すること。例として、コンピュータでのマルチプロセッサシステムが挙げられる。フェールセーフが、トラブル時には停止することでシステムの安全性を確保するのに対して、フェールソフトは稼動の継続性を優先する概念だと言える。

フールプルーフ・・・誰がどのように操作してもトラブルが発生しないように、予め設計しておくこと。つまり、誤操作や悪意を持った操作などを防ぐための概念と言える。例えば、扇風機には羽根に指を突っ込まないように必ずカバーが付いていることや、電子レンジにおけるドアを閉めないと加熱できない仕組みなどが挙げられる。


6. 安全確認システム(インターロック)
・本質安全の原則・・・そもそも危険源となるものが存在しなければ安全であるという考え方です。
・隔離の原則・・・機械稼動中は人間が近づかなければ安全とする考え方です。
・停止の原則・・・人が機械に近づくときは、機械を停止すれば安全であるという考え方です。




7. 製造物責任



8. 製品安全

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