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2014年10月31日金曜日

システム開発におけるレビュー技法


レビューとは複数のメンバーによって、目的の問題発見・解決を行う場

レビューの種類

  • プロセスレビュー・・・プロジェクトにおける目に見えない様々な要因を「見える化」して、複数の目で複数のチェックを行う
  • プロダクトレビュー・・・プロジェクトにおける成果物に潜む欠陥、ミスを「見える化」して、複数の目で複数のチェックを行う

開発プロセス品質をコントロールするには、複数の目で複数のチェックが必要
技術の発展や高度利用が、プロジェクトに参加する複数のヒト達の経験・知識の補完し合うことの必要性が高めている。



見えるようにするのが「見える化」
・「見せよう」とする意思と「見える」ようにする知恵が必要


見える化する項目
  • 異常の「見える化」・・・異常そのものを現物として「見える」ようにする。例えば、不良在庫が増えている場合、不良品の山を見えるようにする。
  • 標準・基準の「見える化」・・・異常とは標準・基準と現状のギャップなので、標準・基準が明示されていなければ、異常は認識できない。
  • 業務標準や手順書、ガイドライン、ルールといった標準・基準を整備して「見える」ようにする。
  • ギャップの「見える化」・・・基準や計画とのギャップをチャートやデータを活用して「見える」ようにする。
  • 効果の「見える化」・・・問題に対処したら、その効果測定をして結果を「見える」ようにする。
  • 顧客の声の「見える化」・・・現在の商品・サービスに対する反応、満足度、新たな商品・サービスを開発するためのヒントとなる顧客のニーズといった「見えない声」を「見える」ようにする。
  • 顧客にとっての「見える化」・・・顧客の声や要望を一方通行的に吸い上げるのではなく、「顧客にとって」必要な情報を効果的に発信し、双方向の「見える化」を実現する。
  • 経験の「見える化」・・・個人や組織の様々な経験を事例(ケース・スタディ)として記録に残し「見える」ようにする。



悪い情報こそ見えないとダメ




アドホックレビュー・・・計画的なレビューというよりも、必要に応じて対応できる同僚などへ確認してもらう即席レビュー。特に記録を作成するなど管理的機能はない。
パスアラウンド・・・多重かつ同時進行型のチェック。電子メールなどを活用し、作成成果物のコピーを何人かに配布し、複数のフィードバック(コメント)を依頼。
ペアレビュー・・・作成者とレビューア(1人)がペアを組み作業成果物を確認。
ウォークスルー・・・作成者が作業成果物をグループ員へ説明し、コメントを求める。
チームレビュー・・・複数のメンバーが参加し確認。計画され、定義された手順に従って実施される。
インスペクション・・・最も体系的で、各参加者に特定の役割を与え、多段階のプロセスが存在など厳格なレビュー。作成者以外の参加者が会議を主導し、チェックリストの使用、分析の実施なども行う。





◯レビューの効果としては・・・
・曖昧な点、問題点の見直し
・第三者による発見
・機能、性能、品質改善

◯レビュー実施の注意点
・始める前に自身のエゴをチェックせよ
・レビューチームは小さくせよ
・レビューでは問題の発見に努め、解決を試みるな
・レビューミーティングは約2時間に制限せよ
・チームの時間を有効に使うため、事前準備を要求する



■インスペクション
 ◯インスペクションのメンバー構成
メンバー 役割

モデレータ(開発責任者または開発責任者が任命) レビューを主催し、司会を担当
スケジュールを立案し、レビュー担当者に連絡
初期簡易開始基準確認

読み手(モデレータまたはモデレータが任命) 設計内容説明

レビューイ(当該工程開発担当者) 関連資料準備、モデレータへレビュー開催依頼実施
<<作成者>> 質問事項・指摘事項への説明実施
指摘事項を修正し、モデレータに報告

レビューア(前工程開発担当者、次工程開発担当者、関連グループ担当者) レビュー事前配布資料を検討し、質問事項・指摘事項の準備
<<指摘者>> レビューの場では、設計内容の妥当性を審議

記録係(モデレータが任命) レビュー関連資料を準備し、事前配布
レビュー実施時は、記録係として議事録を作成




CMMIでは、組織的な仕組みの構築として以下のような事項があるとしている。
・組織方針を確立する
・定義されたプロセスを確立する
・プロセスを計画する
・資源を提供する
・責任を割り当てる
・人員をトレーニングする
・構成を管理する
・直接の利害関係者を特定し関与させる
・プロセスを監視し制御する
・改善情報を集める
・忠実さを客観的に評価する


IT業界でよく使われる曖昧な表現
(1)動詞…行う、管理する、運用する、推進する、対応(適応)させる、適用する、迅速化する
(2)副詞・形容詞…適切に、効果的に、適宜、詳細に、明確に、しっかり、きちんと、かなり、~的
(3)名詞…品質、環境、基盤、リスク、ユーザー、フレームワーク(枠組み)

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